未来型医療創造卓越大学院プログラム

2022年08月22日

ニュースレポート成果発表

合同メンタリング/株式会社FiNC Technologies執行役員 島田明恵先生・株式会社講談社 THE NIKKEI MAGAZINE Ai編集長 藤谷英志先生(7/22 レポート 宮川紫苑)

未来型医療創造卓越大学院プログラム生
教育学研究科 総合教育科学専攻(修士1年)
宮川 紫苑

実施日程:2022年7月22日 16-18時

目的:
2人の先生にメンターとして、進路/進学、既存事業、に関することから人生論まで幅広くご指導いただいた。

メンター:
島田 明恵先生(株式会社FiNC Technologies執行役員 インタラクティブ・コミュニケーション事業本部 本部長)
藤谷 英志先生 (株式会社講談社 第二編集局THE NIKKEI MAGAZINE Ai編集長)

実施内容:
zoomを活用し,学生はグループに分かれ,それぞれの先生と45分ずつ,各々関心のあるトピックに関してお話をさせていただいた。島田先生には,事前にDTSセミナーで,株式会社FiNC の活動に関してご講義をしていただいていた。

所感:
島田先生のメンタリングで,私は「予防分野の事業で,健康意識の高い方以外に健康リスクを認識し,予防を促進していけるか」ということを相談させていただいた。自身の研究テーマは,不眠・抑うつ症状の予防的・早期介入的なセルフヘルプの提供である。一般的に,健康意識が高くない方は予防行動をとりにくい。そのため,リスクを抱える方にどうセルフヘルプを提供するかという課題について相談させていただいた。

島田先生からいただいたアドバイスは,コミュニケーションに置おけるユーザーとの信頼感についてのものであった。肥満の方を例に挙げ,ユーザーに危機を自分事化してもらうことよりもまず,こちらがまず相手に心を開き,相手をしっかり観察すること。そうでなければ,提供者がユーザーに関心を持っていると理解されないこと。そうおっしゃった先生の話ぶりからも,先生が我々生徒の悩みに関心を持って,寄り添ってくださっているような印象を感じ入った。先生のお話から,意識の低いユーザーに自分事化してもらう事を考える際,私は提供者として相手の意識に注目してしまっていたことに気づき,ハッとさせられた。こちらが相手個人に信頼感や関心を寄せなければ,ユーザーにも心の内を語っていただけない。健康リスクがある,意識が低いなどと言われても,モチベーションが上がるわけもなく,少しの進歩でも褒めてもらえるような関係でなければ,信頼を築けない。これは,ユーザー側の視点に立てば当たり前の事であった。相手のことを考えているようで,提供者側の視点から抜け出せていなかった。これは,島田先生が繰り返しおっしゃっていた,ユーザーの自分事化ということについて,提供者側がもし自分がユーザーだったらという自分事化ができていなかったことを突き付けられたように思う。

藤谷先生のメンタリングでは,自分のやりたいことから軸をぶらさずにやっていくことについてお話ししていただいた。しかし,私としては,やりたいことではなく,できることについてとても有難いお話を聞けたように思う。私は藤谷先生に,自身の商品をターゲット層にどのような広告でアピールすべきか質問させていただいた。私としては,週刊誌の編集長をされている藤谷先生にとって雑誌の広告はなじみ深いと考えたためである。しかし,藤谷先生から返ってきた答えは,地元との関係の強い東北大学でまず利用していただき,地元のユーザーを増やすことから始めるというものだった。東北大学院に今年度入学した私にはないアイデアであった。このアドバイスから私は,自身が何をすべきか,何がやりたくて,それを達成するためにどうすべきか,ではなく,自分の環境,能力で何ができるかという視点をいただいたように感じた。女性誌の編集長になるか打診された際,せっかく能力を買ってくれたのだからと提案を受け入れたというエピソードからも,自分のしたいことという軸だけでなく,自分にできることという視点を先生が大事にされているように,勝手ながら考えさせていただいた。

この度メンタリングという貴重な機会をいただきました、島田明恵先生、藤谷英志先生に心より御礼申し上げます。

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