未来型医療創造卓越大学院プログラム

2022年09月13日

ニュースレポート成果発表

合同メンタリング/味の素株式会社 取締役 代表執行役副社長 白神浩先生(8/19 レポート 小出理絵)

未来型医療創造卓越大学院プログラム生
歯学研究科 歯科学専攻(博士1年)
小出 理絵

 

名称:未来型医療創造卓越大学院プログラム 合同メンタリング
開催日程:2022年8月19日(金)16:10~16:50
メンター:味の素株式会社 取締役 代表執行役副社長 白神 浩先生
実施内容:対面での実施にて、白神先生、本プログラムコーディネーターの中山啓子先生、学生4名(うち1名はインターン生)が参加し、質疑応答を行なった。

目的:食品やアミノ酸のリーディングカンパニーである味の素株式会社にて、研究開発統括、事業企画、品質保証等幅広くご担当なさる白神先生の過去、現在のお考えや思いを伺うことで、私自身の研究テーマである「超高齢社会における摂食嚥下障害の患者さんへの個別化食提供」に関する深堀り、および自己成長のヒントを得る。

所感:質疑応答ではまず、多くのステークホルダーとの共創において、当初の価値観は同じでもそのプロセス等だんだんずれてくることも想定される中で、会社の経営に携わる白神先生のブレない思いを伺った。入社当初から、社会価値があり社会貢献できる商品、サービス、ソリューションを提供したいという気持ちは変わらないとのこと。工学博士を取得後、ダイレクトに社会貢献できるとの理由から、企業に就職なさった先生の変わらない思いを感じた。

私の研究対象は摂食嚥下障害の方々であり、この点に関してもアドバイスをいただいた。マーケティングで言うと、嚥下食は規模が小さく大量生産には向かないが、社会価値は高い。企業としては、willing to pay、life time valueのバックグラウンドを持ったソリューションを提供する仕組み作りと、社会価値の提供が求められる。また、食べることに関しては、作る喜び、みんなで食べる楽しみ、さらには、日々の食事で摂食嚥下も含めた病気にならない食品やエシカルな食品の開発が求められている。

その他の学生からの質疑応答では、多分野融合や世代・考え方等の多様性を認めることの重要性、将来からのバックキャストで、こういう社会を実現したい、人々は何を求めて何に幸せを感じているのかという視点で、Well-being、モチベーション、CXを起点に考えることが大切であること、また、おいしさはグローバルであり、文化に根差した食習慣は変えるべきではなく、well-being、サステナブルのために、各地域の事情に合わせた提案が必要である、とのお話をいただいた。

超高齢社会において、技術や情報配信等が急速に進む今日では、これからも様々な価値が変わることが予想できるが、今回の合同メンタリングを通して、私の中で、『食を通じて幸せに貢献できる価値』というキーワードが明確になった。今後、何度も壁にぶつかるであろうが、『誰が何に困っているのか、解決するには何をすべきか』を思い、問い続けて研究に邁進する所存である。

今回貴重なご指導をいただきました味の素株式会社白神浩先生に深く感謝申し上げます。

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