未来型医療創造卓越大学院プログラム

2022年12月08日

レポート成果発表

合同メンタリング/特定NPO法人ジャパンハート最高顧問 岡秀人先生(11/25 中川茉莉)

未来型医療創造卓越大学院プログラム生
歯学研究科歯科学専攻(博士1年)
中川 茉莉

 
名称:未来型医療創造卓越大学院プログラム 合同メンタリング
開催日時:2022年11月25日(金)16:30~17:30
メンター:特定NPO法人ジャパンハート最高顧問 岡秀人先生

【実施内容】
対面で実施し、岡秀人先生、本プログラムコーディネーターの中山啓子先生、学生、医療関係者など約30名が参加し、岡先生によるプレゼンの聴講ならびに質疑応答を行った。

【目的】
岡秀人先生はドキュメンタリー番組「情熱大陸」に3度取り上げられ、貧困により子どもの死亡率が極めて高いとされるカンボジア・ミャンマー・ラオスで、25年以上無償で医療提供を続けられている。お金や人手、インフラ、医療機器が満足に整っていない過酷な環境下であろうと決して諦めず、目の前の患者の命を救う挑戦の中で辿り着いた「たとえ死んでも、心救われる医療」。何があろうと命に向き合う活動に全力を注いでいる岡秀人先生から医療や自己の人生に対する考え方の本質を学ぶ。

【所感】
プレゼンや質疑応答を経て、小児救命に情熱をもって取り組んでこられた岡先生の信念を伺うことができた。特にも印象深いのは、「人間は自分で自分のことはわからない、鏡と一緒。鏡は世の中であり、世の中があなたに与えてるイメージを答えている。」というお言葉である。自分が幸せになる方法はたった一つであり、世の中や他人を幸せにすること、大切にすることこれしかない。そして、人はまず、自己の延長上でしか他者を認識できない。自分で自分のことが大切にできているという体感、「体感値」を上げることが人生において重要であるという考え方をお聞きした。

では、自分の「人生」「幸せ」を手に入れるためにはどうすればよいのだろうか。それは、「挑戦」を続けることである。とりあえず、やってみる。たとえ、見合う技術を最初に持ち合わせていないとしても後でついてくる。瞬間的に切り、実際に行動してみた上で結果が出ないものもある。一方で、自分の個性に合ったものであれば残っていくため、最後に残ったものを長く続けていくことが肝心であると知った。1つの才能を創り上げていくには時間がかかるが、自分の芯、柱となるものが他と重ならなければ自身の強みになっていく。あらゆることに取り組んだ中で残った1つのことをやり抜ける情熱を持っている人は人々の心を動かすというお話があった。人生は「自問自答や瞑想を続けて自己の内面と向かい合う作業」であり、後半にいくに従ってよくならないといけない。年取った時にそれまでの行動に意味があったこと、必要な時間であったことを自覚できればいいと学んだ。

「貧しい人たちに医療を届ける」から長い時間と成果の上で、「貧しい人々にも質の高い医療を届ける」へとシフトされてきた先生の信念を伺うことができ、充実した機会となった。ジャパンハートが大切にする「心を救う医療」には、たとえ死にゆく運命だとしても生まれてきた甲斐があると感じてもらうことにある。その本髄にあるのは、助けたいという精神であった。ベストのことをしようとすると相手の立場に立つことが重要で、本当に必要なものは何かを考えることで最適な方向へと導くことができる。そして、患者には自分のことを理解してくれる存在が世の中に1人でもいることを知ってもらうことで、今後の人生を歩んでいくきっかけを作りたいというのが活動の原動力であるように感じられた。同じ医療従事者として医療の未知なる可能性を活用することで、患者に希望や光、新しい人生を提供し笑顔を生み出せる人間になりたいと実感した。一手段として医療は存在しているが、患者の心に変化を与えられるという本質を極めていきたい。自分をどのような方向へと導きたいか自問自答し続け、情熱をもって人生を歩むことで、30代・40代を迎えたときに自分を認めることができるようになりたい。

今回貴重なお時間をいただき、ご指導いただきました特定NPO法人ジャパンハート最高顧問 岡秀人先生に深く感謝申し上げます。

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