未来型医療創造卓越大学院プログラム

2023年07月14日

レポート成果発表

合同メンタリング / Bangkok Hospital 日本人マネージャー・医療コーディネーター 則武淳先生(6/28 レポート 野本達也)

未来型医療創造卓越大学院プログラム生
医工学研究科 医工学専攻(修士2年)
野本 達也

6月28日(水) 17:00~18:00に未来型医療創造卓越大学院プログラム企画で開催された則武淳先生(Bangkok Hospital (バンコク、タイ) 、東北大学特任教授(客員))との合同メンタリングに出席しました。

合同メンタリングでは、医学や工学など様々なバックグラウンドを持つ学生からの質問を受け、それに応じて則武先生が話を展開していくといった形式で行われました。

今回のメンタリングでは、日本の医療の特徴である平等性を重視した医療システムに対し、則武先生がご活躍されているタイを含む諸外国ではスタンダードである利益追求型の医療システムについて、その全く異なったエコシステムの構築にとりわけ関心が集まっていました。

則武先生が医療コーディネーターとして勤務するバンコク病院は、高い医療水準、欧米に比べ手ごろな医療費、充実した外国人受け入れ口によって年間約十万人が外国から受けに来る東南アジアでも有数の私立病院です。この病院はBDMS(Bangkok Dusit Medical services)という会社の基幹病院であり、BDMSによって診療から製薬、研究、マーケティングなど幅広い部門が包括して運営されていたり、医師が上司や部下を含む様々な関係者から評価をうけて待遇が決まる360度評価が導入されているなど、優れた医療や人を徹底的に追及する姿勢が印象的でした。

一方、数百、数千万円単位ともなる医療費のためターゲットは富裕層となっており、低所得者層は受けられる医療が限られる医療格差が生じているなど、その問題点にも言及があり、改めて医療システムの構築の難しさを考えさせられました。

まとめると、今回の合同メンタリングでは東南アジア有数の規模と医療水準を持つ利益追求型の医療システムについて知り、その要素や利点、欠点について目を向けることで将来の医療に対する思いを巡らせることができました。加えて、国民皆保険によって誰でも医療を受けられる日本のシステムが外国と比べて稀なものであることや、日本の医療をそのまま外国に移植することの難しさを知ることもできました。

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