未来型医療創造卓越大学院プログラム

2023年10月05日

レポート成果発表

インターンシップ / 西川株式会社 (9/4-8 宮川紫苑、菊池里美、中川茉莉)

以下、3名分の報告書を掲載いたします。

未来型医療創造卓越大学院プログラム生
教育学研究科総合教育科学専攻(修士2年)
宮川 紫苑

令和5年9月4日から9月8日までの5日間,西川株式会社様にてインターンシップに参加いたしましたので,ご報告いたします。
近年は睡眠市場の拡大が報告されていますが,西川株式会社様は,老舗の寝具メーカーであり,現在はデータ測定や教育活動,仮眠スペースといった様々な睡眠サービスを提供している会社です。インターンシップでは,会社の歴史や経営方針,提供しているサービス,研究活動,営業活動など幅広く学ばせていただき,そのうえで課題となるようなことや付加価値になるものについて,自身の研究分野と絡めて考える機会をいただきました。

自身は臨床心理学の分野でメンタルヘルス,特に睡眠を研究しておりますが,働く人のメンタルヘルスの観点から,睡眠という商品について考えさせていただきました。営業部の方のお話を聞く中で,企業に睡眠というはっきりしないものの重要性をどのように理解してもらうかという点に課題があるように思われました。昨今は企業においてプレゼンティーイズムの改善が注目されており,毎年行われる企業の健康経営度調査では昨年度に項目が新設されました。インターンシップでは,この点から睡眠の重要性を企業にアピールし,サービスを提供できないかということを検討しました。具体的には,プレゼンティーイズムの評価方法について文献をまとめ,そのうえで,西川株式会社様の社員の方々にアンケートを取り,仮眠スペースの利用によって3%程度のプレゼンティーイズムの改善につながるという結果をまとめることができました。

知見を調べた結果からは,プレゼンティーイズムの評価方法は未だ客観的なものがないということがわかりましたが,そういった限界点も含めて,現状心理学の研究者としてできることを把握することができ,大変貴重な経験となりました。また,西川株式会社様の研究所には,材質に詳しい方や,研究デザインに詳しい方など,様々な分野の方がおり,睡眠について寝具を中心に多角的に学ぶことができたことも,とても貴重な経験です。また,卓越大学院プログラムの同期の方は看護,歯科学の専門家であり,お二人のプレゼン内容からも非常に広い視野をいただいたように感じています。

最後に,この度のインターンシップをお引き受けいただいた西川株式会社様,人事部の高橋様,佐々木様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。また,多くの時間を割いて,特にご指導いただきました日本睡眠科学研究所の野々村様,辻子様,島田様,青木様,安藤様や,広域戦略事業部の飯沼様,ならびに未来型医療創造卓越大学院プログラムの皆様に,心より感謝申し上げます。


未来型医療創造卓越大学院プログラム生
医学系研究科保健学専攻(修士2年)
菊池 里美

この度、西川株式会社様にて合計5日間のインターンシップに参加して参りましたのでご報告いたします。令和5年9月4日から9月8日までの東京都内のオフィスで活動を行いました。

西川株式会社様は、1566年創業の老舗寝具メーカーで、「誠実」「親切」「共栄」を社是とし、寝具卸・販売だけでなく、睡眠に関する様々なソリューションを提供しています。今回私がインターンシップに参加した目的は、睡眠の質について科学的に研究し、その研究結果を用いて質の高い睡眠を総合的にサポートし、研究成果を社会還元したい、という自身の目標に対し、睡眠研究から商品開発までの過程を学び、どのような人たちとの協業によって商品が社会に流通していくのかを知ることでした。

実際に、機能やブランド別に様々な種類の寝具を体験させていただき、実際に店頭で販売しているようなショールームを見学させていただいたことで、商品開発から消費者に商品が届くまでの流れをより鮮明にイメージできるようになりました。

また、この度のインターンシップでは、部門ごとの業務内容だけではなく、「睡眠の価値」という考え方を学ぶことができました。これまで私は、看護師という視点から、患者の睡眠の質改善だけを目的に睡眠について勉強したり考察をしたりしてきましたが、そもそも睡眠は健康な生活を送るための1つの要素であり、運動や食事と合わせてトータルで考える必要があることが改めて良く分かりました。さらに、日本睡眠科学研究所では、自分の専門を活かした医療現場における睡眠・寝具の課題だけでなく、患者や自分とは違う立場の看護師から見た課題についてもコメントいただき、考察を深めることが出来ました。研究成果を社会に還元するためには、研究結果をただ商品に落とし込むだけでなく、睡眠の質の改善が誰にとってどんな利益をもたらすのかを考える必要があるということを学ぶことができました。

本インターンシップを進めるにあたりご指導・ご協力いただきました野々村さんを始めとした日本睡眠科学研究所の皆さま、人事部の高橋さん、佐々木さん、アンケートにご協力いただいたスタッフの皆さまに心より感謝いたします。


未来型医療創造卓越大学院プログラム生
歯学研究科歯科学専攻(博士2年)
中川 茉莉

2023年9月4日(月)から8日(金)の5日間、東京都内の西川株式会社様にてインターンシップをさせていただきましたのでご報告いたします。西川株式会社様は創業457年と長きにわたって日本を代表する寝具メーカーです。昨年度、本プログラムFM DTS融合セミナーで講師をされた西川代表取締役社長のお話を伺い、睡眠に対する関心が高まり、さらに「西川イズム」のもと挑戦されている取り組みに共感いたしました。

歯科では、睡眠時ブラキシズム(寝ている間の歯ぎしり)や睡眠時無呼吸症候群、顎関節症といった疾患が睡眠と大きな関わりを持っています。しかし、歯科から睡眠へのアプローチはまだ不十分であり、その知名度も低いという実感がありました。そこで、今回は、睡眠と歯科のコネクトできる新たな道筋を探索することを目的に参加を決意いたしました。

インターンシップでは、「ちょっと寝ルーム」でのパワーナップを始め、ショールームでマットレスや枕の製品を実際に体験しました。商品開発への思いやこだわりを教えていただき、社員の方々の思考を商品へと落とし込んでいくプロセスを理解することができました。また、歯科医師という立場から睡眠環境設計に対する考えを深める機会になりました。
そして、日本睡眠科学研究所にて4日間、歯科でのブラキシズムにおける現状や一般的な認識を調査し、課題設定、実験、考察までを行い発表させていただきました。研究所の方々からのアドバイスやお互いの疑問を抽出することで、試行錯誤しながら進行することができました。準備していく過程で、様々な部署の方々や同じくインターンに参加したバックグラウンドの異なる学生とディスカッションできたのは発想の転換ともなり刺激的でした。一方で、限られた時間の中で、成果を作り出す難しさも体感しました。睡眠は、睡眠学、医学、歯学、経済学、行動科学、環境学、人間工学とあらゆる分野と結びつきがあり、多角的な視点から分析していくことの重要性を学びました。これから、睡眠と歯科におけるさらなる価値の創出に向けて模索していきたいと考えています。

最後に、この度のインターンシップをお引き受けいただいた西川株式会社様、人事部高橋様、佐々木様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。また、懇切丁寧にご指導いただきました日本睡眠科学研究所 野々村様、辻子様、島田様、青木様、安藤様、広域戦略事業部の飯沼様ならびに未来型医療創造卓越大学院プログラムの皆様に心より感謝申し上げます。かけがえのない経験をさせていただきありがとうございました。

【西川株式会社】
https://www.nishikawa1566.com/company/laboratory/
https://www.nishikawa1566.com/

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