未来型医療創造卓越大学院プログラム

2023年12月22日

レポート成果発表

日本てんかん学会 Sponsered Award (UCB賞) / 令和5年度医学研究助成金(研究A)医学研究助成 を受賞(此松和俊)

未来型医療創造卓越大学院プログラム生
医学系研究科 医科学専攻 (博士3年)
此松 和俊

 
この度、日本てんかん学会 Sponsered Award (UCB賞)および令和5年度医学研究助成金(研究A)医学研究助成を受賞頂きました。
今回、私は「てんかん外科手術の遅れ要因の検討」というテーマを基に、研究計画を作成し、その内容を評価いただき受賞に至りました。

まず、UCB賞については、「海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん外科症例の手術遅れの要因」を検討しました。海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかんは手術により約8割が発作消失に至る疾患ですが、手術に至るまで平均約18年かかると報告されております。そこで我々は、患者要因、てんかん非専門医要因、てんかん専門医要因に分け、手術に至るまでのプロセスを”Odyssey plot”という手法を用いて可視化し、各期間での要因を検討しました。この研究については2023年10月にEpilepsy & BehaviorにAcceptされ、12月にAmerican Epilepsy Society Annual Meeting 2023でも発表させて頂きました。

次に令和5年度医学研究助成金(研究A)医学研究助成については、「医療過疎地域における難治てんかん患者に対する緩和的手術の遅れの検討」について、上記 ”Odyssey plot”の手法を用いて検討する研究計画を作成し採択されました。てんかん外科手術には脳梁離断術や迷走神経刺激療法といった、てんかん発作の頻度を減少させる緩和手術がありますが、手術適応があるにも関わらず受けられていない患者が多くいます。当院で行なった緩和手術の患者の手術までの過程を”Odyssey plot”を用いて可視化し、各種要因を検討する予定です。

今後、AIを用いた研究等も計画しており、卓越大学院プログラムで学んだことを十分に発揮できるようにしていければと考えております。

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