未来型医療創造卓越大学院プログラム

2020年02月21日

イベントレポート

2月1日 Cancer-from Biology to Acceptance『What is Rinsho-Shukyo-Shi? The Leading Edge of Spiritual Care』を開催しました

2019年度「知のフォーラム」の最後を締めくくる市民公開講座「スピリチュアルケアの最先端~臨床宗教師とは?」が、2月1日土曜日13時よりTKPガーデンシティ仙台にて開催されました。

我が国のがん対策において重要課題の1つとされる緩和ケアですが、終末期のがん患者に多く認めるスピリチュアルペイン(魂の痛み)への対策は不十分であり、諸外国のように宗教家がより積極的に関わる必要性が求められています。基調講演では、文学系研究科死生学・実践宗教学講座准教授の谷山洋三氏により、東日本大震災を契機として同講座で育成が始まった「臨床宗教師」について、スピリチュアルケアの概念とともに分かりやすく解説されました。続く特別講演1では、東北大学病院緩和ケア病棟にて実際に臨床宗教師として患者・家族に向き合っている金田諦晃氏から、とあるがん患者が自身の苦悩を吐露していきながら、最終的には周囲に感謝の心を持ち自身も救われるに至った過程などが紹介されました。スピリチュアルケアについて漠然とした印象を持たれていた聴衆も、おそらくその意義と重要性を実感できたのではないかと思われます。

休憩を挟んだ後の特別講演2では、進行期の乳がんを患いながら患者支援を行っている西村和佳子氏が、これまでに経験したさまざまなエピソードをふまえて、「がん患者が望むこと」を医療者に向けた貴重な提言としてお話いただきました。その後のパネルディスカッションでは、3名の演者に医学部保健学科3年生の石田涼華さんを加えた登壇者に会場から活発に質問が寄せられました。

166名の参加者を集めた本会は盛況のうちに終わりました。本会を通じて緩和ケアならびに臨床宗教師に関する市民の方の理解が深まったことを期待します。

ご登壇された皆様、ありがとうございました。

関連サイト
・知の創出センター(TFC)
http://www.tfc.tohoku.ac.jp/program/2157.html

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