未来型医療創造卓越大学院プログラム

2022年01月20日

セミナーレポート成果発表

学生企画セミナー 「言語で説明できるAI実現への道のり」東北大学大学院情報科学研究科 乾 健太郎先生 講演会(12/17 セミナーレポート 松本 勇貴)

未来型医療創造卓越大学院プログラム生
医学系研究科 医科学専攻 (博士3年)
松本 勇貴

今回学生主催セミナーとして、東北大学知能情報科学講座 自然言語処理分野の乾健太郎先生に、”言語で説明できるAI実現の道のり”と題してご公演頂いた。
医療従事者としていかに構造化されていないデータを構造化するかというのは非常に重要なテーマである。
その医療の中の非構造化データの最たるものとして、医師の問診や患者さんの病歴などがあげられるだろう。
それらの非構造化データを構造化することにより、新たな価値提供ができないかと、自然言語処理の第一人者である乾健太郎先生のお話をお伺いしたく企画させて頂いた。

乾先生には、DeepL.TM やLangsmith.TM といったすでに実用化されている英語の自動翻訳技術を紹介の上、自然言語処理を用いた外国語翻訳はすでに実用的であり”おもちゃ”ではないこと、しかしながらIBMのワトソンTMをはじめとして言葉の意味を理解して翻訳したり、問題に回答しているわけではないこと、現在意味を理解できるAIの開発を目指し研究されていることを非常にわかりやすくお話いただいた。
先生のおっしゃるように自然言語処理の近年の発展はめざましく、”おもちゃ“ではないことは誰しも承知していることだろう。しかしながら、自然言語処理をただ単純に医療の問診や診察に応用してより良い診断をするAIやカルテ情報を整理したりする技術を作り、世のため人のためになるかというと、そうではないことをわかった。その前段階として、そもそも構造化されたデータを意識した情報収集が必須であり、医療従事者には構造化されたデータはなんなのかと自らに問いかけることが非常に重要であるとご講演を通して感じた。

※本セミナーは、コロナ感染症対策を徹底し対面とオンライン配信のハイブリット開催をいたしました。
(会場への入室は、東北大学関係者のみとし、会場定員数の3分の1の人数に制限いたしました)

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